トンボは氣門(気門)と呼ばれる穴を持ってゐて(いて)、ここで呼吸してゐる(いる)。
氣門(気門)から取り入れた酸素は氣管(気管)を通って全身へ行く。このしくみを氣管系(気管系)といふ(いう)。
昆蟲(昆虫)であるトンボには骨がない。體(体)は外骨格(體(体)の表面の固い部分)で支へてゐる(支えている)。
トンボの複眼は、6角形の目(個眼)が何萬個(何万個)も集まって出來てゐる(出来ている)。
また、複眼の他に、單眼(単眼)といふ(いふ)目も持ってゐる(いる)。(單眼(単眼)は「暗闇で光を感じるための眼」だと言はれてゐる(言われている)。)
トンボは、複眼の上の方で遠くを 下の方で近くを見てゐる(いる)と考へ(考え)られてゐる(いる)。
昆蟲(昆虫)には、赤外線や紫外線が見えるものもゐる(いる)とされてゐた(いた)が、トンボの場合は、特に"眼がいい"ことが 遺傳子(遺伝子)解析で分かってきてゐる(いる) *¹。
オプシン遺傳子(遺伝子)と呼ばれる、光センサーを作る遺傳子(遺伝子)が、トンボには數十種類(数十種類)ある。
(種によって差はあるものの、アキアカネでは20種類、ギンヤンマでは33種類、ださうだ(そうだ)。
ちなみに、ヒトが持つのは 原則、赤青緑に反應(反応)する3種類である爲(為)、我々は 赤外線などは見ることが出來ない(出来ない)。)
なほ(なお)、トンボの複眼をよく見ると、上部(背中側)と下部(腹側)で 色が違ふ(違う)ものも多い。
これも、色覺(色覚)(=光センサー)遺傳子(遺伝子)と關係(関係)があるやうで(ようで)、
上部と下部でセンサーの種類に差がある。上部では 紫外線(300nm)〜青緑系(500nm)のセンサーが多く、下部は 紫外線から赤系(620nm)の色まで 色覺(色覚)の幅が廣く(広く)なってゐる(いる)。
(なほ(なお)、上部の個眼の方が、1つ1つが大きい。)
また、幼蟲(幼虫)(ヤゴ)時代と 成蟲(成虫)時代でも、使ひ分けて(使い分けて)ゐる(いる)。
(アキアカネの場合、成蟲(成虫)は 複眼上部に 紫外線用が1つ、短波長用が3つ、長波長用が1つ。下部には 上部と同じ紫外線用が1つ、他に 短波長用が1つ、長波長用が5つ。單眼(単眼)には 長波長が1つ。
ヤゴには 紫外線用はなく、短波長用が1つと、長波長用が3つ。更に 非視覺(非視覚)型が4つあり、幼蟲(幼虫)から成蟲(成虫)時代までで 計20種類を使ひ(使い)分けてゐる(いる)。)
なんにせよ、ヒトの見てゐる(いる)ものとは 違ふ(違う)景色が映ってゐる(いる)のは確かなやうだ(ようだ)。
參考(参考)
*¹ 産業技術総合研究所 トンボは異なる光環境ごとに光センサーを使い分けている (別サイト、別窓表示)
トンボの肢は 籠のやうに(ように)なってゐて(いて)、包み込むやうに(ように)して獲物を捕へる(捕える)。
肢には棘(とげ)があるが、これは獲物を逃がさない爲(為)の"返し"。
前肢の脛節にある細かいもの(右寫眞(写真)の矢印)はクリーニング用。
關聯(関連)ページ: トンボの體の各部名稱(トンボの体の各部名称)(別窓)
なほ(なお)、トンボのフンは 細長い棒狀(棒状)で、乾いた粘土のやうに(ように)脆い。
(水をたくさん飮ませる(飲ませる)と 液體(液体)成分が多くなる。)
フンは 種類を問はず(問わず) ややピンクがかった色をしてゐる(いる)ことが多い。
ヤゴは、鋭いアゴ =下唇(かしん)を持ってゐる(いる)。
普段は折りたたまれてゐて(いて)獲物を見つけると素早く伸ばして捕へる(捕える)のだが、ヤゴは動いゐる(いる)ものしか獲物として見ない。
タガメなどは獲物の體液(体液)を吸ふ(吸う)だけだが、ヤゴは肉食なので獲物は"食べる"。
ヒメダカが跡形も無く消えてゐる(いる)ところを見ると、骨まで碎いて(砕いて)食べてゐるやうだ(いるようだ)。
ちなみに、ヤゴは夜行性らしい。水槽の中のヤゴを見ている限りでは、あまり さう(そう)は思へない(思えない)が。
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