ニシカワトンボ[カワトンボ]
Mnais pruinosa pruinosa Selys,1853
(左)♀:高知県四万十市 2005/07/02
(右)♂橙型:高知県黒潮町産 2001/07/15 採集
カワトンボともよばれる。翅が透明な透明型と橙色の橙型がいる。
地域変異(おもに翅斑の大きさ)のはげしい種。
♂は橙型(forma esakii)と透明型(forma strigata)と茶翅型(褐色翅型とも言う)
の3つの型がある。
♀は透明型(forma sieboldi)と成熟後も胸部の一部が黄色い
forma shirozuiがいるが、区別するのは難しい。
翅脈や翅斑などの違いで、ヒウラカワトンボやチャバネカワトンボ(茶翅型)と呼ばれることもあるが、
中間的な特徴(例えばニシカワトンボとチャバネカワトンボの中間的な特徴)を持った個体も多く、
区別するのは非常に難しい。
伊豆半島周辺の本種(アサヒナカワトンボ)は、遺伝子研究の結果、ニホンカワトンボとの交雑種が起源で、独自の特徴を持つようになったことが分かっている。
今のところ伊豆個体群は別種とはされていないが、今後扱いが変わるかもしれない。
環境省のレッドリストでは(シロバネカワトンボMnais costalis forma edaiを含む)房総半島の
本種(アサヒナカワトンボ)が
絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている。
日本の特産種。
[分布]本州の関東・中部地方以南(西)
ヒガシカワトンボ
Mnais pruinosa costalis Selys,1869
(左から)
♂橙型:福島県福島市 2006/05/25
♀食事中:福島県福島市 2005/06/22
交尾(♂透明型×♀):福島県福島市 2005/05/27
ニシカワトンボ[カワトンボ]の東日本亜種。
翅が白く濁った色をしている個体(forma edai)は、ニゴリバネカワトンボ・シロバネカワトンボとも
呼ばれる。
♂は橙型(forma costalis)と透明型(forma ogumai)の2つの型がいるが、
♀は透明型(forma asahinai)しかない。透明型の♂をヤナギカワトンボと呼んでいた時期もあった。
橙型は日当、透明型は日陰を好む。
産地によってニシカワトンボ・ヒガシカワトンボと区別されているが、外見だけを見比べると
ほとんど区別はつかず、ニシカワトンボ・ヒガシカワトンボと分けない方がいいのではとの意見もある。
環境省のレッドリストでは、房総半島のシロバネカワトンボ(forma edai)がアサヒナカワトンボと共に
絶滅のおそれのある地域個体群に指定されている。
[分布]北海道、東北・関東地方、中部地方の一部
(Japonia)
オオカワトンボ
Mnais nawai Yamamoto,1956
♀:大分県三光村 2003/05/24
ニシカワトンボの亜種Mnais pruinosa nawai,1956とするか
種とするか、研究者によって意見が異なる。
ナワカワトンボとよばれる個体もいるが、このことについても研究者によって意見が違っている。
ニシカワトンボとは、生息地や出現期などが少し違うらしい。
[分布]中部地方の一部、近畿地方以南(西)の本州、九州、四国の一部
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