※呼び名の由來(由来)には、"飛ぶ棒"や"飛ぶ穗(飛ぶ穂)"が語源であるといふ(いう)説もある。 どの説にしろ、はっきり 斷定(断定)されてゐる(いる)ワケではないが。
銅鐸とは、紐で吊り下げ 鐘のやうに(ように)使はれてゐた(使われていた)のではないかと
考へられてゐる(考えられている)もの。金屬(金属)が珍しい時代、その音は 神聖(神聖)なものであったのだらう(だろう)。
靑銅製(青銅製)で、出土したものは 靑綠色(青緑色)に變色(変色)してしまってゐるが(いるが)、本來は(本来は)やや金色に近い 赤金(あかがね)色である。
大きさ(髙さ(高さ))は 初期のものでは 數十cm(数十cm)。時代が下ると大きくなり 1mを超えるものも見つかってゐる(いる)が、この頃は 權威(権威)の象徴としての意味が 大きくなってゐた(いた)のかもしれない。
なほ(なお)、銅鐸は 紀元200年頃に 忽然と姿を消す。破壞(破壊)された銅鐸が多數(多数)見つかってゐる爲(いる為)、意圖的に(意図的に)製作が中止されたやうである。ちょうど 卑彌呼(卑弥呼)が王として共立された時代であり、國(国)の統合と關係(関係)があるとの説もある。(その後、權威(権威)の象徴として 鏡が登場する。)
呼び名といへば(いえば)、日本の古い呼び名の1つに「秋津島(あきつしま)」といふ(いう)ものがあるが、アキツとはトンボのことである。
古墳時代(大和時代)、山頂から國土(国土)を見た神武天皇(神武天皇)(初代天皇)が、「アキツが交尾している姿のやうだ(ようだ)」
と言ったのが その由來(由来)だといふ(いう)。
※ここでいふ(いう)日本は古墳時代の日本なので、現在よりもはるかに小さい國(国)であったと思はれる(思われる)。
※秋津島は、秋津洲と書くこともある。また、あきづしまと讀む(読む)こともある。
※本州を指す名稱(名稱)として、古事記に「大倭豐秋津島」、日本書紀に「大日本豐秋津洲」が登場してゐる(いる)。
どちらも「おほ-やまと-とよ-あきつしま [おお-やまと-とよ-あきつしま]」と讀む(読む)。
※神武天皇(神武天皇)は、神話(神話)の世界では 紀元前8世紀頃〜紀元前6世紀頃の人物とされてゐる(いる)が、歴史學(歴史学)的な 證據(証拠)が無い爲(為)、
實在(実在)してゐた(いた)とすれば 西曆(西暦)200年頃(=彌生(弥生)時代末期〜古墳時代)の人物であらう(あろう)と推測されてゐる(いる)。
參考(参考)
*¹ 神戸市立博物館 桜ヶ丘5号銅鐸 (別サイト、別窓表示)
また、その身近な昆蟲(昆虫)を、昔から日本では「勝ち蟲(勝ち虫)」としてきた。
害蟲(害虫)を退治し、前向きに飛ぶ(後ろ向きには飛ばない)ことから、縁起がいゝもの(いいもの)とされたのだ。
時代はだいぶ下るが、戰國時代(戦国時代)には、トンボが描かれたものを身につけて戰(戦)(いくさ)に行った武將(武将)もゐた(いた)といふ(いう)。
兜や刀の裝飾品(装飾品)として トンボがデザインされたものも 實在(実在)する。
※雄略(ゆうりゃく)天皇(21代天皇)の腕を刺したアブを トンボが攫(さら)っていったのが由來(由来)だと言はれる(言われる)。
※餘計な(余計な)話をすると、トンボは 後ろ向きにも飛ぶ (長距離ではないが)。
むしろ、空中で 意圖して(意図して)後退できる昆蟲(昆虫)は トンボぐらゐ(ぐらい)のやうな(ような)氣(気)もするが…。
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※蜻蛉といふ(いう)字には、とんぼの他に あきつ(あきづ)・せいれい・かげろふ(かげろう)といふ(いう)讀み方(読み方)もある。
※古來(古来)から 嚴密な區別(厳密な区別)があったとは思へない(思えない)が、アキツ・セイレイが
トンボの別名であるのに對し(対し)、蜉蝣(カゲロフ(カゲロウ))は 分類上 トンボとは別の昆蟲(昆虫)である。
サナエトンボ[さなへとんぼ]のサナエ[さなへ]は 漢字で「早苗」と書く。
この早苗とは、水田に移し植ゑる(植える)稻(稲)の苗のこと。田植ゑ(田植え)の時期に多く出現するトンボなので、サナエと呼ばれるやうに(ように)なったといふ(いう)。
ヤンマは「蜻蜒」、ヤゴは「水蠆」と書く。蠆とは蠍(さそり)のこと。
蜻蜒の"蜒(虫延)"が"蜓(虫廷)"と書かれることもある。
中國語(中国語)のサイトなどでは 後者"蜻蜓"の表記の方が多いやうに(ように)思ふ(思う)。
形が似てゐる爲(いる為)に 混同されて 2パターン定着したのか、それとも "蜒"が 日本においての "蜓"の代用字なのか 分からないが。
※ヤゴの語原はヤンマの子であるといふ(いう)説がある。
日本では おほよそ(おおよそ)200種(亞種(亜種))が確認されゐる(いる)が、狹い(狭い)國土(国土)にこれだけの種類がゐる國(いる国)は珍しく、
日本をトンボの國(国)と呼んでも過言ではない。
例へば(例えば)、面積が日本の60倍もある 北アメリカ大陸でも、トンボの數(数)は 500種にも滿たない。
單純に(単純に)面積に比例して増えると假定(仮定)して計算すれば、200×60で 12000種である。
北アメリカを基準にして 逆に考へる(考える)なら、面積が60分の1の日本は、500÷60(※實際(実際)は 500もゐない(いない)けど多めに見積もって)で 8.333…と
10種にも屆かない(届かない)。
日本におけるトンボの生息密度が、世界的に見ても とても高いのが お分かり頂けただらうか(だろうか)。
トンボ約5500種のうち、世界最大のトンボは、ハビロイトトンボとテイオウムカシヤンマ[ていわうむかしやんま]。體長(体長)は約150mm。
日本最大のトンボであるオニヤンマは體長(体長)約100〜110mm。
世界最小のトンボは、ハッチョウトンボ[はっちやうとんぼ] (右寫眞(写真))。このトンボは日本にも分布してゐる(いる)が、
東南アジア産のものは 日本のもの(體長(体長)約20mm)より小さく、體長(体長)約15mm。
ハビロイトトンボ Megaloprepus caerulatus Drury, 1782 體長(体長):約150mm。分布:中南アメリカ。分類:均翅亞目(均翅亜目)ハビロイトトンボ科Pseudostigmatidae。 近緣(近縁)の オオフシナガイトトンボ[おほふしながいととんぼ] Mecistogaster lucretia (Drury,1773) も 大型。 |
テイオウムカシヤンマ[ていわうむかしやんま] Petalura ingentissima Tillyard,1907 體長(体長):約150mm。分布:オーストラリア。分類:不均翅亞目(不均翅亜目)ムカシヤンマ科。 |