トンボ 小ネタ


▼  珍しいトンボ - トンボの翅は左右非對象 - トンボの數へ方 - 擬死 - 漢方藥 - ヤンマタケ
▼  外國語でトンボ - トンボ觀察・實驗記録

珍しいトンボ

遇産種迷入種未定着種
呼び方は違ふが(違うが)意味は近い。
偶産種と迷入種は ほぼ同義。偶然捕れたと思はれる(思われる)種。 本來(本来)生息してゐない(いない)ハズの種が、 氣流(気流)などに乘って(乗って)迷ひ(迷い)込んだもの。
未定着種とは、成蟲(成虫)は確認されてゐても(いても)ヤゴが見つかってゐない(いない)など、 その土地に 定着してゐる(いる)とは 思はれない(思われない)もの。 毎年のやうに(ように)大陸から海を渡ってくるものの、日本での繁殖は確認されなかったり、 産卵が確認されても一世代で絶えてしまふ(しまう)種もゐる(いる)

交雜種(交雑種)
違ふ(違う)種が交配して生まれた種。雜種(雑種)のこと。
ギンヤンマ(ギンヤンマ屬(属))×クロスジギンヤンマ(ギンヤンマ屬(属))→スジボソギンヤンマなど。
交雜(交雑)は同屬間(同属間)でのみ起こると言はれてゐる(言われている)
また、交雜種(交雑種)に生殖能力はないとされてゐる(いる)が、 スジボソギンヤンマ♀の産卵(同屬(同属)の♂と交尾したものと思はれる(思われる))が確認されたこともあり、 なほかつ(なおかつ)、その卵が孵って無事に成長(羽化)したことも確認されてゐる(いる)。 生殖能力がないのではなく、單(単)に、交雜種(交雑種)の産卵や 交雜種(交雑種)を親に持つ個體(個体)が 確認されてゐなかった(いなかった)だけなのか。
近年、遺傳子(遺伝子)解析による分類の見直しも進んでをり(おり)、交雜種(交雑種)に關しても(関しても)、見た目から推測されてゐた(いた)組み合はせ(組み合わせ)が訂正される例も多い。

性モザイク
性別は♀なのに 右の翅だけ♂の特徴を持ってゐる(いる)など、♂♀兩方(両方)の特徴を持ってゐる(いる)もの。 左半分と右半分で キッチリ♂♀分かれて現れることが多いらしい。
トンボ以外の昆蟲(昆虫)の他、鳥などにも ごく稀に見られる。
雌雄モザイク雌雄型雌雄兩型(雌雄両型)ギナンドロモルフジナンドロモルフ(Gynandromorph) とも言はれる(言われる)


トンボの翅は左右非對象(左右非対象)(左右不對象(左右不対象))

人の指の長さが左右で微妙に違ふやうに(違うように)、トンボも 左右の翅脈(翅の線)の形は 微妙に違ふ(違う)。 じっくり觀察(観察)してみると結構違ひ(違い)は多い。
なほ(なお)、生物が 完全な左右對象(左右対象)の體(体)にならないのは正常なことで、 これは ♂と♀が混じり合ふ(合う)性モザイクではない。
遺傳的な(遺伝的な)原因もあれば、極端な話、(ヒトの場合) 右腕ばかりを鍛へ(鍛え)ると 右腕だけが太くなるやうに(ように)、 生活習慣に影響されることもある。流石に、蟲(虫)の生活習慣を調べるのは難しいだらう(だろう)けども。


トンボの數へ方(数え方)

トンボは、1頭2頭…といふ(いう)數へ(数え)方が正しいらしい。 「頭部のある動物は基本的に"〜頭"と數へる(数える)」と聞いたこともある。


擬死

捕まったトンボ(特にヤゴ)は、死んだフリ(擬死)をすることがある。

   


漢方藥(漢方薬)

乾燥させたトンボは、漢方藥(漢方薬)になる。 アカトンボ(アカネ屬(属)のトンボ)は、氣管支炎(気管支炎)に效く(効く)らしい。


ヤンマタケ

ヤンマタケといふ(いう)トンボに生えるキノコがある。
(ヤンマタケの)菌に感染した蟲(虫)を食べたときに寄生すると言はれてゐる(言われている)
ヤンマタケが體内(体内)に侵入すると、だんだんと元氣(元気)がなくなっていき、 やがて 枝などに止まったまま 動かなくなって キノコが生えてくる。 (アキアカネ、ノシメトンボ、ミルンヤンマなどが寄生されやすいらしい。)

ヤンマタケ…菌界 子嚢菌門 核菌綱 麥角菌目(麦角菌目)Stilbellaceae科、Hymenostilbe odonatae Kobayasi。 冬蟲夏草(冬虫夏草)の一種。シュイロヤンマタケといふ(いう)種類もあるらしい。


外國語(外国語)でトンボ

英語でトンボはdragonfly(ドゥラゴンフラィ、ドラゴンフライ)、イトトンボはdamselfly(ダムセゥフラィ、ダンセルフライ)と言ふ(いう)
不均翅亞目(不均翅亜目)のトンボをdragonfly、均翅亞目(均翅亜目)のトンボをdamselflyと呼ぶらしい。

ラテン語でトンボはlibellula(リベルルラ、リベッルラ)。
(ヨツボシトンボ屬(属)の學名(学名)Libellulaに由來(由来)するものなのか、 元々 トンボを表す言葉がLibellulaで、それが學名(学名)に そのまま使はれた(使われた)のかは よく分からない。)
分類上の蜻蛉目[トンボ目]の名である Odonata(オドナタ)が使はれる(使われる)こともある。(Odonataはギリシャ語由來(由来)の言葉。)
ちなみに、libellulaは女性名詞。ラテン語の名詞には 言葉ごとに性があるが、これは文法上の決まりごとで、喋る人の性別とは 關係(関係)ない。
關聯(関連)ページ:
ラテン語の讀み方(ラテン語の読み方)


トンボ觀察・實驗記録(トンボ観察・実験記録)


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