4.展翅(てんし)
展翅板を使って展翅する。
展翅板の板と板の間に綿などをつめ、展翅したときに腹部が下がらないやうに(ように)する。
(背側から)胸部に垂直に蟲ピン(虫ピン)を刺し、展翅板にとめる。
展翅板の左右の板は、内側に傾いてゐる(いる)ものが多い。
これは、乾燥した蝶の標本を展翅板から取り外した後、筋肉の具合で
翅が下がってしまふ(しまう)ことがあるから。
トンボの場合も同じ理由だと思はれる(思われる)。
展翅テープ(翅を固定するのに使ふ(使う)細長い紙)2枚を左右の翅の上に乘せ(乗せ)、1ヶ所針でとめる。
針先を翅脈にひっかけて動かし、形を整へる(整える)。
この作業は、翅の根元附近(付近)の(硬い)翅脈にひっかけて 翅を動かすとやりやすい。
逆に、翅の外側の薄い部分にひっかけると 翅を破いてしまふ(しまう)こともあるので 注意。
位置が決まったら、まち針で翅を固定する。
(頭頂部は上に向ける。)
5.乾燥
展翅したまま 冷暗所で1ヶ月以上乾燥させる。
6.仕上げ
捕獲日・捕獲場所・捕獲者を記したラベルをつける。
展翅した標本の場合、ドイツ箱などに入れて保存する場合が多い。
この時、防蟲劑(防虫剤)を一緒に入れておくと良い。
完成した標本は定期的に見て、防蟲劑(防虫剤)の交換やカビが生えてゐない(いない)かなどの確認をする。